インプラント外来の最近のブログ記事
昨日の日曜日は友人のU先生に誘われていた、インプラント研修会に参加して来ました。
・・けれども、その内容は実は全くの初心者向け。
これから初めてインプラント治療を考えようかと言う先生方向けのコースでした。
友人のU先生も某インプラントメーカーの実技インストラクターをされているベテランですし、わたしももう25年以上インプラント臨床に関わってきた古株です。
実はこのような初心者向けの「研修会」にわざわざ参加するのには"理由"がありまして・・・。
一つには、これからの世代の若い歯科医師向けにどのような「情報発信」がなされているのか、と言うことの情報収集・・、それと講師の先生方との"人脈作り"です。
今回も新たな先生とのつながりを得まして、この11月にはまた「ソウル」へインプラントの勉強でご一緒させていただくことになりそうです。
いや、楽しいですね (^^)
・・ちょいと「期待ハズレ」、でしたねぇ。
まぁ、「特別講演」では面白いハナシが聞けたのですけど、一般会員の発表はと言うと・・。
なんだかありきたりの「症例報告」で埋め尽くされていたような。。
わたしとレベルが合わず、時間の無駄なので早い目に切り上げて帰って来ました。
行きはヒコーキ、帰りは新幹線にしました。
今日はなんだか、空いていましたよ~。
吟醸酒を頂いたのですが、この「里の譽(ほまれ)」 ちゅうの、美味しかった。。 (^◇^)
今回、会場はお茶の水、「東京医科歯科大学」。
なんと、モロ・隣が「順天堂大学」だったんですね、知らなかった!
まっ、一応学会には「参加」した・・ということで、、。。
今度の日曜日は「ピエゾ・サージェリー」のハンズオン・セミナーに参加してきます !(^^)!
「ピエゾ」・・?ってなんですかぁ?? と言うことになりそうですが・・じ、実はわたしもよく分りません・・(汗)。
ただ「ピエゾ」というのは「圧電素子」のことかなぁ~と。 で、まぁ、とにかくその「原理」を利用した「超音波振動」を使って、骨を切削、削る道具を 「ピエゾ式骨切削器具」=ピエゾ・エレクトリック・デバイス と言いまして、その道具を用いて行う骨外科手術を「ピエゾ・サージェリー」と、こない言います。。
非常に便利で、安全な器具なのですが・・かなり「高価」。
けど、当医院でも昨年に思い切って導入しました。
目的はもちろん「インプラント手術」での利用です!!
日本にもまだ、ほとんど入っていない器械なんですよ。
一昨年にはソウルでこのピエゾサージェリーの実技と講座の研修を受けて、準備を進めていました。
で、今度の日曜日はこの器械の第一人者のひとり、Lee Hong-Chan先生が来日されて、セミナーを開いて下さるということで、また新しい話などもうかがうことが出来るかな、と期待しています。
実は、7月の上旬にも再度ソウルまで出向いて、このピエゾの「もう一人」の第一人者、テグ・カトリック医科大学の「Shoon教授」の講義に参加する予定でいます。
最後に、どうしてこのピエゾが良いのか?? 何が良いんですか? ということについては、
ふつうは骨などを削る「骨外科」には、ドリルやいわゆるノコギリなんかを使いますが、このピエゾは超音波振動を利用して骨を細かく粉砕して切断する方法なので、柔らかい「血管」や「神経」などを傷つけてしまう恐れがほとんど無い、ということが最大の利点です!!。。
いやぁ~、3月になりました。
このところ、また「寒の戻り」状態で、肌寒い日が・・・。
でも、もう「お水取り」もすぐそこに。。 春の訪れ、間近・・デス。
さて、この3月はまた韓国、ソウルにインプラント手術の勉強に行ってきます!
行き先は「ソウル大学」。・・まっ、韓国の"東大"みたいなもん・らしいです。
今回はインプラント治療を希望していても、十分な「骨」が無い為に治療が出来ない、手術が出来ない・・という患者さんを救済する「アドヴァンス」な方法を実習を通して学んでくる予定。
インプラント手術での、「骨造成」とか「骨移植」・というような言葉を聞かれたことのある患者さんも多いかと思いますが、実際には言うが易く・行うは難しい・・と言うのが「現実」です。
むろん、当院でも様々な対応を行ってはいますが、このあたりは未だ「100%」の科学とはなり得てはいません。
実際の「骨造成=GBR」では手術方法、材料論・・などにおいてまだまだ発展途上、と言うのが現実なのです。
なによりも、患者さんにストレスを与えない、シンプルな手術・術式が「第一」と考えていますので、出来るならば極力、「大げさな手術」は行いたくは無いのです。
現時点で「韓国」はインプラント治療の分野ではおそらくは日本の5~7年くらい先を歩んでいると思われます。
これが大げさ、であれば少なくとも3~4年は進んでいると、わたしは考えているんです。
このあたりもいわゆる「欧米人」に対して行われる治療と、私たち「東洋人」に対してのソレとは、分けて考えたほうが良いように思われます。
そんなわけでの今回のソウル行き。 で、後はまた7月にも2年前に教わった事の復習と確認のために、ソウルへ・・。
いや、ホンマ・・別に○○がいてるわけではおりません(笑)。。
全国の保険医が加入している団体に「保険医協会」という組織があります。
その中で「東京歯科保険医協会」が4600名の会員に「インプラント治療」についてのアンケート調査を行いました。
回答率は会員の6.3%(291名)ほどだったそうですが、このうちの60%の歯科医師がインプラント治療を行っていると回答したということです。
ところが実際の治療経験年数では、
1) インプラントを始めたばかり 0年~5年未満 33.9%(最多)
2) 5年~10年 25.3%
3) 10年以上~ 40.8%
つまり全体の約60%の歯科医は、インプラント治療経験が10年に満たない・・ということになります。
しかも経験が「5年未満」の先生が一番多い、というのも治療を受ける患者さんの立場からはかなり微妙な心境ではないでしょうか。
日本の首都、東京での調査でこの結果なので、地方ではどのような結果が出るのでしょうか。
実は、わたしは1980年代の後半から「インプラント治療」に携わってきました。
かれこれ25年近くになります。
この長い間にインプラント治療は、その「材料、材質、形状、手術方法・・・」など様々な部分で昔と今と、天と地ほども進化を遂げてきたのです。
このような意味合いでは、ただ「治療経験が長い」というだけでは何の自慢にもなりません。
その時どきの時代の変化、進歩に合わせて常に自分の知識、技術をアップデートしていく必要が不可欠です。
わたしの場合は「インプラント治療」というものが日常の大切な「仕事」であり、その勉強を続けていくということについては何のストレスもありません。
まぁ、有る意味・・「趣味」のようなものですので「勉強」自体が楽しくて仕方がないのです(笑)。
今日は朝から梅田にて、AQBインプラントの指導医である津山先生の実習セミナーがありました。
インプラント手術の際に、患者さんの骨が足らない場合が結構あるのですけど、そんな時の「不足分」を下顎の後ろの方から取ってきて、足らないところに補ってあげる方法です。
ある種の「自家骨移植」ですが、我々開業医は出来るだけ患者さんのダメージを少なくしなければなりません。
「足らない骨」はいろんなところから取ってこれるのですけど、最近はなるだけハナシを大げさ、にしないように・・と言うのが流行りです。
今でも一部の歯科医師は、アゴの先端部分(おとがい)のあたりから骨を採取する術式を続けている人もいるらしいけど、わたしはイヤやなぁ、と思います。
だって、自分がされたら・・・・ふむっ、 やっぱしお断りします(キッパリ)。 (ーー;)
でも、今日のはできるだけ痛くない、腫れない・・いろんな細かいテクニックのお話でした。
今では駅の看板やインターネットのホームページ上で沢山の歯科医院が「インプラント治療」をしていますよ!と、広告・宣伝をしています。
中にはずいぶんと「安い費用」でインプラント治療を行っているところもあって、そんなのを見ると私などは、一体どうなってるんだぁ?? (ーー;) と考え込んでしまいます。
いろんな意味でとても「一般的」に知られるようになったインプラント治療ですが、その治療を行う歯科医院、歯科医師のほうには一体、どのような「備え」が必要なのでしょうか。
皆さまもいろいろな歯科医院のホームページでの案内や広報をご覧になられて、「インプラント治療をしています」と言っていても、かなり「専門的」にインプラント治療に取り組んでいる医院と、「とりあえず」インプラント治療「も」していますよ、という医院に分かれている・・・という事に気が付かれると思います。
前者は当院のように、少なくとも年間にインプラント手術を100本程度以上は実施している医院さん、で後者はまぁ、多くても年間に10~15本程度の手術数が有る・・と言う医院様です。
この「差」は極端なのですが、実際にいろんなインプラントメーカーの「営業」の方にお聞きするとどうやらこのような状況であるらしいです。
いろんな医院からの「発注」の出かたでイヤでも分かりますからね。
実際のところ、普通のごく当たり前の、どこにでもあるような歯科医院の「設備」と歯科医師の「能力」ではこの程度の「手術数、年間20本前後以下」と言うのが本当のところかな・・と思ったり致します。
何故なら、それ以上の手術数を毎年コンスタントにこなして行こうと考えた時点から、医院側にはかなりの「本気度」が必要とされてくるからです。
これは歯科医師自身の「勉強・研修」、手術スタッフの「勉強・研修」、そして歯科医院の「設備・インフラ整備」などに莫大なお金が掛かる・・・ということであります。
では、インプラント専門医院である当院では、皆さまに安全なインプラント治療を提供していく為に一体どれくらいの「経費」が投じられてきているかと言えば、現時点で ざっと4000万円以上・・。
これはごく普通の歯科医院が一件、「開業」出来てしまうほどの額です。
しかも当然、まだこれからもジワジワと膨張していく(イヤな)予感がしています(笑)。
このようにまぁ、院長の「こだわり」・・というのもあるかも知れませんが、インプラント治療は一般的なほかの歯科治療と比較して、格段の経費がかかってしまうものなのです。
けれど、昔からの古典的な歯科治療ではとうてい実現出来得ない、患者様の新しい人生、未来を造り出していくことの出来る素晴らしい治療方法であると確信し、日々頑張っています!!。。
今回当院では新しく、国産インプラントメーカー ブレーンベース社(BBC)様の「マイティス・アローインプラント」を導入いたしました。
従来よりHAインプラントの雄であるAQBインプラントとスプラインインプラントの二本立てで治療にあたって参りましたが、より「低コスト」でのインプラント治療をより多くの患者様にもご提供いたしたく、いろいろと検討をしていました。
このマイティス・アローインプラントは主に2ピースタイプのチタンインプラントです。
現在チタンインプラントは各社とも、独自に工夫された「表面処理」をインプラントに施しています。
それにより細部での「性能」が変わってきたりします。
特別に治療期間を短縮したり、条件の悪い部位にあえて使用したりするのではない限り十分な能力を有するインプラントであると考え導入を決めました。
インプラント医の中にはいまだに「国産インプラント」のことを悪く言う人もおられるようですが、わたしはそうは思いません。
むしろ「日本人」の骨格や骨の状態を前提に開発されているので、外国製品より良い場合も多いと思います。
実際、昨今国内で非常に人気の有る「スプライン・インプラント」も米国製ですが西欧では全く人気がなく売れていません。しかし、日本人にはとても使いやすいのです。
・・というわけで、明日は午前中丸まる「インプラント・オペ」です。がんばろう!!(急患、来ないでね)
先日、当院で使用している「HAインプラント」と一般的な「チタンインプラント」の話題について触れてみましたが、この二つのうちで、どちらが「世界的」に数多く使われているかというと、それは圧倒的に「チタン・インプラント」なんです。
前回、HAインプラントの「優位性」を熱く?語ったワタシですが、それなのに何故、チタンインプラントが「主流」なのかというと、実はHAインプラントとして紹介された「・・と、ある製品」が過去にスカタンをやらかして、非常な悪評を蒙ったことがあるのです。
それ以来、一時期HAインプラントをバッシングするかのような論文が専門誌に掲載されたりしてその信用が失墜してしまいました。
詳しい事は述べませんが、要するに「欠点」を無理やり見つけて、それをクローズアップする論調で世の中に「喧伝」したのです。
確かにとても性能の悪いものも出回っていたようですが、これは現在でも変わりません。
ですが、そのような中で、良識有るメーカーがこの当時の教訓を生かして、その後に開発され現在市場に出ているものは、非常に「高性能」なものに生まれ変わっているのです。
したがって現在流通している「HAインプラント」には実は何の問題もないのですが、昔の一時期を「経験」したインプラント医たちは「あの時の事」を忘れてはいないようです。
そのような事情から現在の市場においてのシェアは未だチタンインプラントが大きな「優位」をしめています。日本では最近HAの人気が急上昇していますが、世界的にはこのような事情で落ち着いております。
で、・・ここから逆に分かってくる事は、「・・なんや、チタンインプラントでも上手い事いくんやん」・・という事実です。
そのとおり、で・・患者さんの「骨の状態」さえ良ければ何も高価なHAインプラントを使わずに普通のチタンインプラントを使ってもなんら問題なく治療を進めることが出来るわけです。
て言うか、世界ではこれが「スタンダード」とも言えます。
ただ我々日本人を含めてアジア、モンゴロイド系の人種は欧米の皆さまと比べるとやはり「顎」がきゃしゃで、骨の分量も少ないです。
だからそう言うアゴの骨が十分でない患者さんには、やはりHAインプラントを応用していくことが治療の成功に繋がるのではないかな、・・と、ワタシは考えております。