先日のインプラント手術で新しい、「αTCP」という骨代用補填材を使ってみました。
日本のB社様からご提供頂いたのですが、なるほど使い勝手はとても良かったです。
これはインプラントの手術を行なう際に、患者さんの「骨の量」が少ない時に利用する生体材料なのですが、「TCP」というものは工業的に作製された材料で、他にはもちろん患者さんご自身の「骨」や異種骨として「牛」さんの骨、場合によっては他家骨・・と言ってヒトの死体から採取した骨を精製加工したものなども使われているんです。
私たち臨床医の間では「β(ベータ)TCP」と言うものが有名で日常的に良く利用されているのですけれど、今回の「アルファ・TCP」は「ベータ・TCP」と比較して、骨を作り出す能力(時間)は半分程度の期間で可能という優れもの(・・のハズ)なんです。
一般的にはベータTCPは骨を作りたい部位に補填して、大体、4~5ヶ月くらいの期間がたたないと、材料自体が骨と置換(置き換わる事)しないと言われているのですけれど、新しい「アルファTCP]ではなんと2ヶ月で骨と置き換わる・・・らしい。。
もし、本当にそうであればコレは喜ばしい事です。
ところがこの材料、現在米国のFDA(日本の厚労省のようなところ・・審査は非常にキビシイ!)での認可を待っている状態らしいのですが、東京医科歯科大学での研究では非常に良い結果が出ているらしいです。
どのみち、日本では厚労省は認可しないでしょうから本格的な海外での流通待ち、・・ということになるのでしょうが、・・せっかく良い技術があるのに残念な事ですにゃ。