私たち歯科医が歯を治療する為に毎日のように使う道具の中に「エア・タービン」というものがあります。
虫歯を削りとったり、歯の形を整える為に使う、「歯を削る」ための道具です。
ダイアモンド・バーという「ドリル」の様なものを利用して歯を削っていくのですが、毎日のようにいろんな場面で使用しますが、・・・なんだかいまいち、削れないなぁ~、とかもっと効率よく削れないものかなぁ・・?、と少しイライラする場面を経験する事があります。
おそらく私だけでなく大多数の歯科医がそんな経験や思いを抱く場面が日常的にあるんではないかな・・と思うのですけど・・。
これをマイクロスコープを見ながら、覗きながら同じ事をやってみると・・・
なんと、それはソレは恐ろしく歯が削り取られて行きます。
切削用のドリルが歯の表面に軽く触れたとたんに患者さんの歯の表面、一部が「霧」のように消し飛んでいく様子がありありと見て取れます。
・・・なんや、恐ろしく良く削れてるやん、というのが率直な感想。
肉眼で見ていたらとても想像だに出来ないような勢いで歯が削られていくんですよ。
初めて自分でそれを目にしたときは本当に驚きました。
これで、「歯が削れない」・・という事はありえないだろう、と。 しかしコレはマイクロスコープを通して見てみないことにはホントに分からない、実感できない事なんです。
患者さんにとってホンマに大切な歯を治療、という目的の為に削らねばならないのが歯医者としての宿命?ですが、この私たちが毎日当たり前に使っている道具の「破壊力」・・・このすさまじさをどのくらいの「歯医者」が実感してるんやろ・・、と少し寒くなります。