患者さんの「問診票」の項目の一つに「(当院への)来院の動機」・・という項目を設けてある。
その「お答え」の中で案外と多いのがコレ。
・・・「近くて便利だから」。
ふむぅぅ・・まぁ、分からなくもありません。 しかし・・。
歯科医師であるわたしの「感覚」から言わせてもらうと、こんな恐ろしくも危険な事はないのではないかと・・。
もっとも、どんな理由であれ当院にご来院頂いている、ということはそれはソレで、経営者としては真に有り難いことでございます。
だけど・・・、歯科医療と言うものは患者さんの「お口の中」をリフォームしたり、場合によっては一から「新築」するような事がおこなわれる医療分野です。
この例えは少しおかしいかもしれないけれど、もし実際に我が家の新築やリフォームを考える時に「近くて便利」な工務店さんを選んでお願いするのかな?
大工さんや現場監督さんの「仕事ぶり」が解からない・・と言うのは我々と全く同じで、実際にお付き合いをしてみなければその内容はなかなか見えてはきません。
そういう条件のもとでは実際に「仕事=治療」を依頼するにはフツーはかなりの下調べなり何なりをした上で、たとえ遠方でも「ココッ!」という業者にお願いするのではないかと、考えるのですが・・。私ならそうします。
「歯の治療=口腔の治療」と言うものはほとんどの場合、「侵襲的医療」つまり削ったり、抜いたりという「後戻り」の出来ない手順、手技で進んでいくものです。
そういう意味では一般「外科」と同じと言えます。
内科系のような「温存療法」が主体となる医療部門ではないのです。
近くて便利な「外科のお医者さん」に毎回手術をお願いし続けるかどうか、と言う事と近くて便利な「歯医者さん」に毎回歯を削ったり抜いたりすることをお願いし続けるかどうか・・ということは全く同じ事です。
わたしなら多少遠くて不便でも腕の良い外科医の先生にわが身を預けたい、とそう、考えるのですが。